キノコノコのハンドメイド販売ブログ

ゲイが伝えたいどうでもいいハンドメイドと日常の話。

ゲイの私は家族へのカミングアウトをいつするべきなのか。

両親の寝室にある大きな化粧台。

そこに広がるキラキラと光る口紅やコンパクトたち。

こっそり使おうと思って近づいたけれど、使い方が分からない。

遠くから母が近づいてくる足音が聞こえる。

私は口紅を押し付け、ファンデーションを思い切り顔に叩いた。

 

鏡に映る私はファンデーションの粉まみれになった小さなおばけ。

口紅を先につけてしまったからだろう。

ファンデーションが唇について、母のように綺麗な真っ赤な唇にはならなかった。

 

寝室に入ってきた母は私を見て少し驚いたけれど、決して怒りはしなかった。

口についたファンデーションを拭い取り、口紅を綺麗に塗り直してくれた。

私が5歳の時だった。

 

 

 

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小さいころから女の子の持つものに興味が湧いた。

保育園で男の子がウルトラマンや仮面ライダーのお面を嬉しそうについけている横で、私は真っ白なドレスを着たくて、お姫様気分に浸りたくて、指をくわえながら女の子たちを羨ましく思っていた。

 

ノンタンの絵本に出てきた将来なりたいもののページでは、ウエディングドレスを着たブタに大きな丸をつけていた。

ブタにはなれたけど、ウエディングドレスの夢はまだ叶えられていない。

 

保育園を卒園する頃、女の子の持つものへの欲求は次第に無くなっていった。

いや、無くなったというか隠し始めていた。

 

男の子なのに女の子のものを欲しがるのはおかしい事、恥ずかしい事だと思い始めたのだ。

 

小学校では、女の子の友達がたくさんできた。

女の子の方が話の内容が分かるし、話しやすかった。

シール交換やモー娘。のブロマイドを見せ合う遊びがとても楽しかったの。

 

その反面男の子の友達は全くできなかった。

この頃すでに男の子が好きだったのでしょうね。

男の子の前だと変に意識してしまって上手く話せなかったの。

 

女の子の友達とは自然に話せて打ち解けられた。

だけど男の子たちの前では上手く仲良くできなかった。

 

この状況を男の子たちも変だと思ったのでしょうね。

「おすぎ」「ピーコ」と呼ばれ、からかわれた。きっと私のことをおかまと言いたかったのだろう。

今となっては笑い話だけど、当時はものすごく嫌な思いをした。

男の子と仲良くできない状況は中学校まで続いて、私の思春期における悩みの種になる。

学校も心の底から楽しむことができなかった。

 

それでも家族はありのままの私を受け入れてくれた。

好きなものを好きと言える環境は家の中にあった。

モー娘。の歌も家族の前では思う存分歌えた。 

 

そんな家族が私は大好きなの。

ただその家族にでさえ、未だゲイであることを伝えられないでいる。 

 

心を許せる友達にはゲイであることをカミングアウトできたけれど、未だ家族にはその話をすることができないのよ。

 

私がゲイであることを知ったらどう思うだろうか。

結婚も子どもをつくることもできないと知ったら悲しむだろうか。

 

兄弟にはいつか話さないといけないと思っているけど、

先に死んでしまうであろう両親には、話すべきか悩んでいる。

 

私は自分がゲイであることで悩んだことはないし、後悔したこともない。 

それはきっと周りとは少し違う自分を受け入れてくれた家族がいたからだと思う。

それなのに、ゲイであることを家族に伝えるのが不安だなんて、なんだか矛盾しているわよね。

 

ただこのまま伝えたくなければ、ずっと隠し通せばいいと思うの。

 

だけど私の心の奥底ではすでに答えは出ているはずなのよ。一歩が踏み出せない、ただそれだけなの。

 

 

今日もバレーボールの試合を妹と一緒に観ながら、柳田選手がテレビに映るたびに「かっこいいーーー!!!」と野太い声で大絶叫する。横にいる母は何を感じているのだろうか。

 

柳田選手がテレビに映る。「ウォ〜〜〜!!!!」と雄叫びを上げた瞬間、ツムツムで遊ぶ母の手が一瞬止まったように感じた。

母よ、気づいておくれ...いや...もう気づいている...のか...。